こんにちは
おんがくひとりがたりのお時間です。(唐突に次ぐ唐突)
すきなおんがくについて話します。そのままです。
People In The Box 『Weather Report』
2013/10/16にリリース
まず、特筆すべきはこのCDのトラック数と時間だと思う。収録曲数としては21曲なのだが、トラック数としては1曲(70分36秒)となっており、すべて”つながった”状態で収録されている。
その仕様の性質上、曲と曲のつなぎ目がほとんど感じられず、まとめてひとつ、といった印象を受ける。まぁ曲単体で聴きたいときはかなりめんどくさいんですがねモニョモニョ……
従来のピープルらしさを十分に発揮しながら、幻想的で不可解、どこか異国情緒溢れる世界へ誘ってくれる一枚。
あ、ただぼやけた感想言うだけで、面倒な考察はしません(できません)からね!悪しからず。
1.気球
これははじまりだよ!ここは歴史のまんなかさ
YouTubeにMV公開されているので是非観ていただきたい。加藤隆さんの世界観はピープルどんぴしゃだと信じてやみません。
歴史は繰り返し進んでいくけど、どれも同じではないしどこからでもはじまりなんだと、そんなことを感じました(小並感)。あとは「無限ループってこわくね?」感がすごいMV。ピープル言葉では言ってないけど、繰り返す感じの歌多くないですか?でも曲の奥の広がりを感じます。
2.砂漠
終わりは悲しい 誰も知れない
砂漠ってタイトルからなのか、アラビア~ンな感じの曲調ですよね。結構適当に言ってます、ごめんなさい。
砂漠っていうと殺伐として孤独なイメージかなと思うんですけど、なんとなく、「何かが既に終わっている」状況からスタートして、「そこから何かが生まれてくる様子」までを描いている感じがしました。全体的にもの悲しさというか、淡々とした感じですかね、この曲は。
3.亀裂
4.岩
インスト曲ですね。岩は一応声入ってますけど、外国語みたいな感じで何歌ってるのかはよくわかりません。この2曲のつながりがすごく強くて、ぬるっと曲が変わっていく感じが良いですね。亀裂の時の楽器はバグパイプ的なやつなんですかね。ひたすら間延びしていく音がなんとなく亀裂を想起させるのでしょうか。岩は儀式っぽさがありますよね、打楽器と人の声。何かを囲んで円になって踊ってるんですかね。
5.皿(ハッピーファミリー)
遊びさ ただの遊びさ
遊び、といいつつ歌詞はなんだか不穏な空気。略奪とか欲望とかってあんまり遊び要素なくないですか?パーティの内容はなんだか子供じみてるんですけど、我が子は優秀って言ってるあたり目線は大人(親)ですよね。パーティといいつつあんまり楽しそうじゃない感じがします。暴れるこどもとそれぞれのこどもが一番だと思ってる親の集まり、みたいな(ナニソレ)。
6.起爆
きみは戦争に興味がないしね
戦争はきみに興味がない
しね
これ歌詞カードみていちばん
「なんか ヤッッッッッバ」
って思った曲です(笑) なにあの行間
思わず歌詞全部乗せてしまいました。
行間 を 読 むって レベ ル じゃ ねーぞ !(頭が悪い)
7.投擲
スポンサーは周知のとおり 神さま
これ「トウテキ」って読むんですね。全然読めなくて焦りました25歳社会人です。投げること、なげうつことを意味するそうです。勉強になるなぁ。
歌い出しからデスレースだ、って言ってますね。デスレースだそうです。
なんとなく、なんとなくですけど、なんか特攻隊みたいなイメージを持ちました。帰ってこない先発、何もない草原、凍る草原、客席はなし、カメラ、放送席もなし、コースもない……安直ですかね?途中転調する部分が好きです。
8.穴
そのようにきいております
誰も入ることのできない”穴”の話
でも、どうして入ってはいけないのか、のぞいたらどうなるのか、っていう点においては伝聞によるものだけで不明瞭ですよね。穴の内部を想像せずにはいられません。でものぞくと風邪ひくみたいですよ、そう聞いていますが。
9.空地
門を出てどこかへと行くよ
行く先には限りがある、どちらかというと良くない結果が待ち受けていると知っている、そんな感じがしました。でも知らずにいられない、と、そこまで言うと言い過ぎな感じもしますが。
この曲の始まりでテープを巻き戻す音がするんですよね。8曲目である穴の最後の音なのかなって思っていましたが、この曲の最初みたいです。ここで1回場面が切り替わるんですかね。でも、確かに聴き返すと少し音が軽快になったのと、歌詞の不穏な感じがなくなったような気もします。
10.塔(エンパイアステートメント)
ハレルヤ!
この曲情景が浮かんできそうで良いですよね。大晦日で年越しを待つニューヨークが舞台なんですかね。塔からビラを撒くっていう行為が壮大で、ハレルヤ!と叫ぶ笑顔の主人公がなんとなく想像されました。ちょっと狂気じみている気もしますが。何か訴えたいことがあるんですね、それも年越しっていう街が歓びに満ちあふれるであろう時間帯に、きっと。多分良くない内容なんだろうけど、ちょっと拾って読みたいような気もする。
11.真夜中
一晩じゅう夜を傷つけても
いいよ
心と体が休まらない彼女と、それを見つめる自分の2人の曲だと思っています。きっと、彼女が眠れない理由は何かの”声”が絶え間なく聞こえているという、精神的なものではないかと想像しています。それもテレビの放送も終わるような、そんな真夜中に。地獄のような状況の中で、どこか冷静に彼女を見つめる自分がいるのかな、と。一緒に起きていてくれるなんて、優しく寄り添っているようにも思えるし、でも、もう うんざりとも思っていて一緒に疲弊したようにも思えるし、良くも悪くもとっても閉鎖的なうたかな、って思います。
12.夏至
いまも目次に たどり着けない
すごく清い感じがしますよね(誰)。色のイメージは青と白ですかね。海が見えるだけの静かな場所、といった感じ。この曲もぼくときみの2人だけの世界という感じがしますが、「真夜中」と比較するとだいぶ明るいイメージなんでしょうかね。そもそも”夜”と”夏至”は対照的な印象がありますしね。だんだんと眠りに落ちていきそうな、時が止まるような、そんな感覚になります。
13.潜水
優しい人をさがすのはやめたよ
飛び込む海はきみのもの
これ私が一番好きな曲です(声高に)
まず、前曲からのつながりが素晴らしい。キーンとした音が、光が入り込んでまぶしい感じを思わせてくれます。「真夜中」からここまでの3曲は”ぼく”と”きみ”の歌になっているのかなと思います。それもどこか終わりに向かっているような、そんな印象を受けます。”きみ”はどこか病的というか、破戒的というか、”普通でない”ような感じがしていて、どうしても器の中からははみだしてしまうような…そんな人のように思っています。
私も知りたいです、海の底の色と味。
14.新聞
15.大陸
新聞紙はそう言った
新聞って「社会の出来事の報道や論評を、広い読者を対象に伝達するための定期刊行物。」のことですね。(goo辞書 より引用)
曲の入りの歌詞からなんとなく繋がりがみえないというか、すごくばらばらした印象を受けるんですけど、私だけですかね。どこかの一場面を切り取って貼り付けている感じ、といった感じでしょうか。でも、新聞ってそういう事件や事象のツギハギみたいなものって考えることもできるのかな。長い時代の出来事を言葉で紡いできた媒体ですよね、ある意味長い世界の流れを見つめてきたもの、と考えられるのかな。それにしてもこの曲は結構難解だな、と個人的には思っています。あと、”新聞紙はそう言った”の前の歌詞になっていない言葉が何を言っているのか気になります。
新聞に続いてすぐに始まるのが大陸です。歌詞はないのですが、アイヤーエーイヤイヤーという独特な声から始まって、日本の天気予報の声が流れてきます。中々に珍妙な曲。天気予報、といえばこのアルバムの名前も”Weather Report”ですね。ここで伏線回収、といったところですかね。だからといって何か意味があるようには思えませんが。流れで聴いていると、この曲でナンダナンダ、という感じになります(笑)。
16.船
夜は黒い
夜は深い
放送はこれでおしまい
新聞から大陸、船までは曲の結びつきが強いですね。単体で聴くとぶちぶち途切れて聴こえるので、続きで聴くのがオススメです(そもそもそういう仕様)。先程までの騒がしい感じから一転、ダークな感じの曲ですよね。夜と船ってなんだか暗くて怖いイメージありませんか。この曲はどこか荒廃的な印象があります。幽霊でも乗ってるような怪しさがあります。
あと、この曲の奥でジージーいってるのはなんの音なんですかね。最後ポンッって取れちゃってるし。
17.脱皮中
18.脱皮後
それだけできみは腰抜けではない
この2曲はなんで分かれているのかが少し謎です。脱皮中はラーラーって言ってるだけですもんね。脱皮のための一拍なんでしょうかね。脱皮後は、曲は明るい感じですけど、淡々としていてちょっと寂しい感じもします。孤立無援でどこかに佇んでいるのはきみですね。”脱皮”にあたる何かの事象が終わった後のことを”脱皮後”と表現しているのかな。でもあまり楽しい、達成感のあるものではないような感じがします。どこかもの悲しさを含んでいるような、そんな印象です。
19.大砂漠
砂漠から大砂漠へランクアップしました(?)。砂漠よりちょっと人が増えた感じがします(何いってんだ)。この曲もなんか儀式っぽさがありますよね。日本語ではない言語が飛び交っています。だいぶ賑やかな印象、大砂漠だけど。
20.鉱山
見上げた空は虹色
曲調は1曲目の気球のような自然豊かな異国感がある印象。一方で、”ビル”とか”電磁波”とかどこか現代的な印象も共存している感じもありますかね。でも、このアルバム全体が色々な時代や場所を覗いてきた印象があるので、特に違和感とかはない気がします。なんとなく、長い旅の終わりを想起させます。
21.開拓地
おなかが空いたら
食事にしようよ
このアルバムの最後を飾る曲です。長い長い旅の行き着く先、途方にくれた旅人を迎え入れる様子が思い浮かびます。
その旅っていうのは、このアルバムの曲たちのことを指しているんじゃないかと思っています、月並みですが。曲中なんの音か分からない音がしたり、意味の分からない言語が聞こえたりしてきたのも”歪なかたちした楽器”や”歌をおぼえたての外国語”に当てはまるんじゃないかって考えてます。1曲目の気球の、”ここは歴史のまんなかさ”っていう歌詞も、覗いてきた時代や出来事がばらばらでも、それはその地点での歴史の中心(ある意味始点でも終点でもある)、っていうことを表現している歌詞なんじゃないかなって勝手に想像している次第であります。
最後フェードアウトで終わる感じもとっても良いですよね。まだ終わらない感じがあって、まだまだ先に進まなければならない気になります。まぁ、焦らずじっくり進もうぜ、食事でもとりながらさ、と言われている気がします(幻想過ぎる)。
……………………………
以上です!!!!!(息切れ)
めっちゃ語るやん自分……
思うままに書いてみましたが、本当にただのひとりがたりになってしまいましたね。
兎に角、それくらい素晴らしいアルバムだってことを伝えたかったんです(伝わってない)。
改めて言語化するのめっちゃ大変だけど楽しい。
良かったら、聴いて、ください…………………………♡